タイトルを見ていただければお分かりの通り、昨年10月6日に淡路島で行われたSPEEDの一夜限りの復活ライブについて書きます。 何で半年も前のことを今更書くのか? 一つには、ネット上で、あのライブで本当に重要だと私が思ってることについて言及したものがあまり無いこと。レポとか感想とかは結構有ったんだけど、肝心な点が 欠けてるような気がして・・・。 もう一つは、あのライブに行けなかったヒト達に、その重要なことを伝えなければならないと思えてならないから。実際に参戦したヒト達については、どんなことを 思ったり感じたりしたかは私の知るところではない、というか私にどうこう言う権利は無いでしょう。でも、行けなかったヒト達は、TVを見ても、ライブCDを聴いても、 やはり伝わらないものは伝わらないとしか言いようが無いから、行った人間としては報告する義務があると思う。 それに、あのライブはあらゆる意味でイレギュラーなものでしょう? 普通のライブなら、次回(来年)のライブで内容は異なってもまた観ることは可能だけど・・・2度目の復活ライブなんてものは無いかも知れないのだから。 たとえ2度目があったとしても、最初のそれとは全然意味が違ってしまうだろうし。
という訳で、復活ライブについて書きます。 どうも前置きが長いですね(苦笑) そろそろ本題に入りましょう。
復活ライブの2曲目の『STEADY』を聴いた時、感動で危うく涙を流しそうになりながら、一方で心の中で自分自身を激しく責めていました。 「何でこんな当たり前のことを忘れていたんだ? これこそSPEEDの本質なのに!」と。
復活ライブの話を初めて聞いたとき、素直に歓んでいない自分に気付きました。 「せっかくソロ活動が軌道に乗ってきた時なのに、何で今になって再結成するんだ? 何を考えてるんだ、事務所は!」 沖縄のサミットライブ、FCイベントなどを通して、それぞれのパフォーマンスがすごく進化してきているのが解かって、そのことがとても素晴らしく思っていた時 だけに何か今一つ納得できないものを感じてました。 後になって、チャリティーであること、地元の強い要望で再結成が決まったことなどが判ってきて憤りは鎮まったものの、今度は不安感が頭をもたげて来ました。
ソロ活動を本格化してから1年半(当時)。 『SPEEDの寛子』だった少女は、『Treasure』という楽曲を境に一人の女性シンガーhiroへと急激に成長しました。その最大の武器である”声”もまた、驚くほどの 変貌を見せました。かつてのように、地声のままのハイトーン・ボイスを力一杯繰り出す替わりに、やわらかなファルセットを静かに、しかし力強く押し出す。 中低音域は豊かに厚みを増し、感情表現は格段の進歩を遂げていました。 もはや『SPEEDの寛子』の面影は、何処にも見られなくなっていました。
『SPEEDの絵理子』だった少女は、模索しながらも自分自身の道を歩んで、一歩一歩成長し続けていました。特にパフォーマンスに関しては、以前から魅力的 ではありましたが、見る者を圧倒するような激しさを身に付け始めていました。声もまた成長し始めていました。以前はあまり感じられなかった力強さも、少し ずつ付いて来ました。それでいてバラードを歌えば、以前と同じく豊かな感情表現でもって、見る者の視線をクギ付けにする素晴らしさでした。 もはやそこに居るのは、女性アーティスト今井絵理子以外の何者でもありませんでした。
2人のメイン・ボーカルは、何れも解散してからの1年半という時間に成長している。 その事自体は歓ぶべきことでした。 しかし、再結成するとなると、果たして今の2人の声で『SPEEDとしての曲』に成り得るのかどうか・・・不安でしかたありませんでした。 特にhiroの、いやこの場合は寛子と書くべきでしょうが、声の変化はかなり極端でしたから、それがSPEEDとしてのバランスを崩すのではないかと心配で 仕様がなかったものでした。 かつてのSPEEDが持っていた奇跡のようなバランス。それが再現されるのならば、是非とも観てみたい。しかし、そのバランスが崩れてしまっていたら・・・ 観ないほうが良いのかもしれない・・・。 複雑な心境になりながらも、結局参戦を決めたのは、もう一度SPEEDを観たいという欲望に逆らえなかったからでした。『本物の』SPEEDであるかどうかは 別として。
ライブ当日。 ソロのステージが終わり、いよいよSPEEDのステージ。 オープニングの『ALL MY TRUE LOVE』に続いて、『STEADY』。その第3フレーズ、♪あぁ 街にとびこめば を聴いた瞬間、かつての寛子の歌声とは 明らかに違っているにも拘わらず、紛れも無く『SPEEDとしての曲』になっていると気付いた、いや思い知らされました。 そして、1年半の空白を越えて、忘れていた大切なことを思い出したのでした。
「SPEEDの魅力とは、4人の別々の個性がぶつかり合ったところに生まれる」 つまりSPEEDの奇跡のようなバランスとは、4つの力が別々の方向から異なる強さでぶつかり合って釣り合いを取っている、言ってみれば動的バランスの ようなものだ、ということ。いつも一つ処に留まってはいない、動きながら、姿形を変化させながらのバランス。それこそがSPEEDだったのだ、と。 だからこそ、メンバーの誰かが成長すれば、それはそのままSPEEDの成長になりバランスの崩壊には至らない。 思えば、SPEEDとは常に成長し続けていたユニットだった。 新曲を出す度に、新たなライブを演る度に、成長した姿を私達に見せてくれていた。 ならば、解散してからの1年半の間に成長した、寛子と絵理子によって演じられるSPEEDは、『またいつものように、成長した姿をみせてくれるだろう』。 そう考えていて然るべきだった。 しかし、私はそんな風には考えられなかった。 忘れていたから。 これほど大切な、そして当たり前のことを忘れていたから。 SPEEDはいつも、成長した姿、新しい姿で目の前に現れるということを、すっかり忘れてしまっていたから!!!
成長した寛子と絵理子によるハーモニーは、以前より遥かに豊かで力強く、さらに奥深いものに進化していました。SPEEDにはまだこれほど素晴らしい 可能性が残っていたのだ、と思い知らされました。もっとも、このレベルのパフォーマンスは『解散』という機会が無ければ観ることは出来なかったもの でしょうが・・・。 多香子もまた、成長した姿を見せてくれました。ソロ活動を経て安定した歌声を身に付けた彼女は、SPEEDの中にあってもしっかりとした存在感を 示してくれました。 仁絵に関しては、姿を見ること自体久しぶりでしたが、やはり格段の成長をしていました。まず、何よりも身体のラインが以前よりずっとシャープに なっていて、何だか身長まで伸びているように感じてしまうほどでした。そのせいかどうか、ダンスは驚くほどの切れがあって、それでいてうるさくはない、 芯が一本通ったパフォーマンスになっていました。
メンバーそれぞれが大きく成長した、以前とは変わっていた歌声を、変わっていたダンスを私達に見せてくれていました。 でも、たった一つ変わっていなかったものが、そこにはありました。 『感動』です。『SPEEDのライブが与えてくれる感動』です。 この最も大切なものは、以前と同じ様にそこにありました。 そう、まるで『解散→再結成』などという出来事など無かったかのように。ただ単に、前回のライブからちょっと時間が空いちゃっただけ、みたいに 『いつもと変わらない、感動的なSPEEDのライブ』がそこにありました。
だからこそ、でしょう。 ライブの間、ずっと幸せな気分でいることが出来ました。 MCを聴いて笑いながら、歌といっしょにジャンプしながら、曲に合わせて振りを踊りながら、ずっと幸せで居られました。 それは、私ひとりがそう感じた、というよりは会場全体から立ち昇ってくるような、あるいは観客すべてを包み込んでいるような感覚でした。 まるで、オーディエンス全員がその『幸福感』に酔っているような・・・。 いや、あの会場で一番幸せを感じていたのは、ひょっとしたらあの4人だったのかも知れません。4人ともライブが終わってしまうのが、本当に 名残惜しい様子でしたから。
SPEEDは確かに変わっていた。歌もダンスも、細かく言えばもっと色んな処も変わっていただろう。 けれど、一番肝心なところは変わっていなかった。あくまでも、SPEEDはSPEEDだった。 かつてSPEEDのライブに一度も行ったことが無いヒトがあの会場に居て、 「このライブって、解散前のSPEEDのライブとやっぱり違うの?」 と、尋ねたならば、私は自信を持ってこう答えただろう。 「いや、同じだよ。何も変わらない。これがSPEEDのライブだよ」 と。
さて、ここまで読んで下さってありがとうございます。 私が伝えたかったことというのは、以上のようなことです。
変わっていたことに関しては、TVやライブCDでも解かることもあるでしょう。 でも、本当に重要なのは、変わらなかったことについてだと思っています。 そして、みんなが(たぶんSPEEDも含めて)幸せだった、ということも。
ただ誤解して欲しくないのは、これは(タイトルにもありますが)私にとっての『真実』ではあっても、『事実』ではないってこと。 参戦したヒトにも、しなかったヒトにも、それぞれの『真実』があるはずだから、この私の意見を押し付けるつもりは全くありません。
また、文中では敬称を略させていただきました。失礼しました。
最後に一言。 hiroちゃんは、ソロの時は随分緊張してたみたいだけど、SPEEDの時は無茶苦茶にハイテンションでした! ステージを右に左に全力疾走する『寛ちゃん』を 見て、何か胸が暖かくなるような感じがしました。
読んで頂ければお解かりのように、これはレポではありません。 当時レポも確かに書いたのですが・・・・・生憎と何処にも残って無くて(泣) で、まあ、代わりにという訳でも無いのですが、この文章を載せよう、と(汗) これは、ライブ後半年程してから寛連他の掲示板上に書いたものです。書いた意図に ついては長々とした前置きに書いてあるので、繰り返しはしませんが(苦笑) でも、あのライブに関して私が最も重要だと思っていることは、ここに書いてあることです。 SPEEDのライブは、これ以前にもこれ以後にも参戦してて、それぞれに感動したんだけど、 「解散」という呪縛から解き放ってくれて、「SPEEDが永遠である」ことを確信させてくれた このライブは、私にとってスペシャルの中のスペシャルです。 (2006.08.21 O.H)